第3部 その他の一般諾行事 第2節 追悼会(記念会) キリスト教では、仏教の追善供養の意味と多少異なり、少なくとも左の2点の意味をもって記念会を持つ。 @ 故人の信仰と在りし日の徳を追憶し、思い出を互いに語り合うことによって、私たちの現在の生活を意義あるものとするため。 A 神の恩寵を感謝し、祝福を祈ることによって遺族を慰め、互いに励ましつつ信仰に進み、勝利の生活を営むため。 追悼会は1か月目、50日目、1年目、3年目、5年目、10年目、20年目、30年目ぐらいに行うのが適当である。教会としては毎年12月ごろ、会員全体をひとまとめにして追悼礼拝を守るのもよい。 教会の会員名簿には、故人の命日を正確に記入しておくべきである。これによって遺族の人々に、それぞれ記念会を守るよう奨励すべきである。 追悼会(記念会)の順序 賛美 聖歌 638,639,641,646など天国に関する歌および故人の愛唱歌 聖書 詩篇39篇(前夜式の項にある。) テサロニケ人への手紙第一、4章13-18節 眠った人々のことについては、兄弟たち、あなたがたに知らないでいてもらいたくありません。あなたがたが他の望みのない人々のように悲しみに沈むことのないためです。私たちはイエスが死んで復活されたことを信じています。それならば、神はまたそのように、イエスにあって眠った人々をイエスといっしょに連れて来られるはずです。私たちは主のみことばのとおりに言いますが、主が再び来られるときまで生き残っている私たちが、死んでいる人々に優先するようなことは決してありません。主は、号令と、御使いのかしらの声と、神のラッパの響きのうちに、ご自身天から下って来られます。それからキリストにある死者が、まず初めによみがえり、次に、生き残っている私たちが、たちまち彼らといっしょに雲の中に一挙に引き上げられ、空中で主と会うのです。このようにして、私たちは、いっまでも主とともにいることになります。こういうわけですから、このことばをもって互いに慰め合いなさい。 祈祷 例1(信者の場合) 万物の創造主なる父よ、私たちは今みゆるしを得てこの所に相会し、すでに信仰の馳せ場を走り尽してこの世を勝利のうちに去られた( )兄弟(姉妹)を神の御前に追憶記念する折を与えられましたことを感謝いたします。 私たちの主は、弟子たちと最後の晩餐をなされた時、「わたしを覚えてこれを行いなさい」と仰せられました。今、私たちは御前にあって( )兄弟(姉妹)をしのび、その信仰と徳と、良い行いとを学びたく願っています。この兄弟(姉妹)の信仰にならって、私たちが、苦難の多い世にあっても信仰の戦いをよく戦い、永遠のいのちを得ることができるようにしてください。この所に集う遺族、近親の方々および私たち一同の上にも、天よりの慰めを豊かに与え、故人を追悼するとともに故人の受けた恵みに励まされる者とならせてください。 主よ、この集会を通して私たちをさらに向上した信仰へと進ませ、やがて再ぴ相集う時を待ち望んで、いよいよ主の再臨信仰に燃える者とならせてください。 「万物の終わりが近づきました。ですから、祈りのために、心を整え身を慎みなさい。何よりもまず、互いに熱心に愛し合いなさい。愛は多くの罪をおおうからです」との聖句に従い、世の光、地の塩とならせてください。今からの時を聖霊の御導きによって、最も有意義に導いてくださいますように。主イエスの御名によってお祈りいたします。 アーメン。 祈祷 例2(求道者か未信者の場合) 天地創造の御神よ、私たちは今、御前に相集い、ご摂理によってこの世を去られた( )兄弟(姉妹)の追悼記念集会を持つことが許されましたことを思い、御名をあがめます。 いま御前にある私たちに人生のはかなさを知らせてくださり、自らの生活を反省する折を与えてください。私たちが、この世のむなしいものに望みをおかず、永遠の神の国の存在を信じて、そこに希望を持ち、信仰に生きることができるようにしてください。かくしていつみもとに召されることがあっても、「たよりにならない富に望みを置かないように。むしろ、私たちにすべての物を豊かに与えて楽しませてくださる神に望みを置くように。また、人の益を計り、良い行ないに富み、惜しまずに施し、喜んで分け与えるように。また、まことのいのちを得るために、未来に備えて良い基礎を自分自身のために築き上げるように」とのみことばのように、神に喜ばれる生涯を送ることができるようにしてください。 人類に永遠をおもう思いをさずけてくださった恵み深い天の父なる神よ、現世にのみ心が奪われやすい私たちに、未来に対する信仰こそ、現世の生活を確立するものであることを悟らせてください。 願わくは、神の恩寵を深く知り、その信仰にまで私たちを導いてくださいますように。本日の記念会が私たちの今後の生活に光を与えて、神の前によい道を求めるための尊い機会となるよう、一同の上に天来の恵み豊かに与えてください。主の御名によってお祈りいたします。 アーメン。 賛美 聖歌 637「心のふるさと」 同 641「わがつみのために」 (その他、故人の愛唱歌) 感話(故人と親しい人々、友人、知人などの故人に対する追憶、所感、あかし等) 説教(牧師の適切な勧告) 祈祷 賛美 聖歌 186「うきのやみのよも」 主の祈り